2026年9月15日~16日にかけてロレックスから突然の新作発表がありSNSを中心に驚きの声が出ています。ロレックスは通常、3月~4月にかけて開催されている時計の国際見本市ウォッチ&ワンダーズにて新作を発表、その後1年間は特別モデルやカタログ外モデルの新作発表こそありますが新製品としてのリリースは近年にはない動きでした。
その新作が「Perpetual Padellone(パーペチュアル パデローネ)」です。ムーンフェイズと年次カレンダー(アニュアルカレンダー)を装備したモデルはロレックスのドレスラインにおいて新たな選択肢となっています。

パーペチュアル パデローネとは何なのか?どういったモデルなのか?完全解説をしていきます。
パーペチュアル パデローネ
発表されたのはエバーローズゴールド製とプラチナ製の3種類のパーペチュアル パデローネです。それぞれエバーローズゴールドにはマットブラウンのアリゲーターレザーストラップか7列リンクのセッティモブレスレット、プラチナにはマットブラックのアリゲーターストラップが付属しています。
パーペチュアル パデローネ Ref.53505
エバーローズゴールド

パーペチュアル パデローネ Ref.53506
プラチナ

それぞれ現時点での定価は発表されていませんが2023年にかつてのチェリーニを継ぐラインの完全新作として登場した「1908」のブレスレット仕様が現在定価6,076,400円となっています。
「1908」はシンプルな3針のモデルです。それに対しパーペチュアル パデローネはトリプルカレンダーにムーンフェイズという複雑機構を兼備しています。
海外では既に定価価格が公開されているようで、エバーローズゴールドのストラップ仕様が5万9000ドル(約920万円)、プラチナのストラップ仕様が6万6200ドル(約1030万円)、エバーローズゴールドのセッティモブレスレット仕様が7万2800ドル(約1130万円)とのことです。日本定価は未だ非公開。
パデローネという名前の由来
新作パーペチュアル パデローネを紐解くにあたって、過去のロレックス製品に「パデローン(パデローネ)」という通称で親しまれた時計があることはご存知でしょうか。それこそRef.8171です。

1950年代にロレックスによってリリースされたRef.8171は、ロレックス史にとっては異端の存在と言えます。「パデローネ」とはイタリア語で「大きなフライパン」を意味し、当時としては大型の38mmの平べったいケースから名づけられたペットネームです。
今回そのペットネームをロレックス側が逆輸入する形で採用したのが「パーペチュアル パデローネ」になります。
Ref.8171は1949年~1953年のわずかな期間でのみ製造されており、当時のロレックスは一般ユーザー向けへの時計をメインに販売していたブランドであり、その歴史の流れから1953年のサブマリーナーエクスプローラー、1963年のデイトナ誕生などスポーツラインへと進んできました。
その流れからすると38mmの当時としては大型のケースにトリプルカレンダー、ムーンフェイズという機能を備えた時計が異端とする理由が分かると思います
1950年代にロレックスによってリリースされたRef.8171は、ロレックス史にとっては異端の存在と言えます。「パデローネ」とはイタリア語で「大きなフライパン」を意味し、当時としては大型の38mmの平べったいケースとわずかにドーム状のから名づけられたペットネームです。
今回そのペットネームをロレックス側が逆輸入する形で採用したのが「パーペチュアル パデローネ」になります。
Ref.8171は1949年~1953年のわずかな期間でのみ製造されており、当時のロレックスは一般ユーザー向けへの時計をメインに販売していたブランドであり、その歴史の流れから1953年のサブマリーナーエクスプローラー、1963年のデイトナ誕生などスポーツラインへと進んできました。
その流れからすると38mmの当時としては大型のケースにトリプルカレンダー、ムーンフェイズという機能を備えた時計が異端とする理由が分かると思います。
しかもこのRef.8171は4年に満たない製造期間において1,200本しか生産されてなく、イエローゴールド製に至っては350本以下ともされています。
2時流通市場での価格は凄まじく2013年のクリスティーズ・ニューヨークのオークションでは4Pのダイヤがダイアルに入ったRef.8171は1,145,000ドル=当時の日本円で1億円以上で落札、2019年にはフィリップスオークションにてRef.8171が1,028,000スイスフラン=当時の日本円で1億円以上で落札されています。

これらはいずれもトップコンディションを維持しているからこその落札価格だったことは間違いなく、販売当時の状態だったことも重要な要素。時計販売サイトではRef.8171が2千万円台~4千万円台で見つかる(それでも高額だが…)がこれらはいずれも何らかのパーツチェンジや修理歴があるかもしれないので注意した上で購入して欲しい所。
スペック
年次カレンダー
まずスカイドゥエラーに続いて2コレクション目となった年次カレンダー=通常アニュアルカレンダーの搭載。

通常時計業界では
・永久カレンダー=パーペチュアルカレンダー
・年次カレンダー=アニュアルカレンダー
と言います。それぞれパーペチュアルカレンダーは4年に一度のうるう年でさえも時計が自動で判別するカレンダーのことで、半永久的にカレンダー合わせの必要がありません。アニュアルカレンダーは年に1度、2月→3月の切り替え時のみ手動でのカレンダー合わせが必要になります。
新作パーペチュアル パデローネはコレクション名に「パーペチュアル」があることから紛らわしいですがロレックスは「パーペチュアル=永久という意味」を自動巻き時計に対して使用します。
パーペチュアル パデローネはアニュアルカレンダーという年次カレンダーを備えています。
ムーンフェイズ

6時位置にあるムーンフェイズはブルーのエナメルで施されています。このディスクは1太陰月(29.53日)で1回転し、ユニークな満月と新月はメテオライト製で、新月にはダークブルーのPVDコーティングがされています。
ムーンフェイズの設定はロレックス公式に専用ページが用意されています。
ケースとダイアル

1950年代のRef.8171のケース径38mmからわずか1mm差の39mmに抑えたケース径は当時へのオマージュそのもの。ミドルケース上部には当時には無かったフルーテッドベゼルも備えておりロレックスらしい現代風へのアップデートもされています。
ダイアルは、表面に細かな粒状の模様や微細な凹凸を与え、光を柔らかく拡散させるマット調の表面装飾技法であるグレイン仕上げと、外周部はファインサテン仕上げを施すなどスポーツラインとはまた違う高貴な印象を漂わせています。
エバーローズゴールドにはホワイトダイアル。
そしてプラチナには近年定番となっているアイスブルー文字盤という組み合わせ。
キャリバー7190

2025年に発表されたランドドゥエラーに搭載された画期的なキャリバー 7135の進化形とされるキャリバー7190が搭載されています。
スカイドゥエラーのキャリバー7135同様にロレックスでは珍しい5hertz(ヘルツ)=36,000振動のハイビートです。通常精度が安定する代わりにパーツの耐久性や消耗期間がネックとなるハイビートですが、シリコン製シロキシ・ヘアスプリングとセラミック製バランススタッフを備え、シリコン製の画期的な機構であるダイナパルス エスケープメントも搭載していることからロレックスではクリアされています。
さらにパデローネのムーブメントには、ハプロスシステムという特許取得のシステムが搭載されており年次カレンダーにおける30日と31日の判別をしているようです。
さらにさらに!トリプルカレンダーの曜日・月・日はいずれも0時にデイトジャスト機能で切り替わるのに加えて、ケースサイドのボタンでの個別設定も可能!そして驚きなのが調整禁止時間がないとのことです。
デザイン
基本的には1950年代のRef.8171からインスピレーションを得てデザインされていますが、それを現代版にアップグレードする上で間違いなくもうひとつの要素となったのが2023年の新作「1908」です。

Ref.8171には無かった要素として
トランスパレントケースバック(一般的には裏スケルトンケースバックと言われる)
・フルーテッドベゼル
・インデックスの3や9のアラビア数字
・ブレゲスタイルの針(一般的にはブレゲ針と言われる)
・二重折りたたみ式のデュアルクラスプ(一般的は観音開きバックルと言われる)
・7列リンクのセッティモブレスレット
は2023年に発表の「1908」で採用されています
※7列リンクのセッティモブレスレットは「1908」の追加新作としてRef.52508に追加されたバリエーション

とこのように多くの部分において「1908」の要素が取り入れられています。つまり1940年代後半~1950年代初めのRef.8171をベースとしつつ現代型チェリーニとも言える「1908」の要素で現代版へとアップデートされています。(さらに搭載キャリバーはランドドウェラーのキャリバー7135の進化系7190)
まとめ
まず気になるのは2026年の9月というこのタイミングで発表されたパーペチュアル パデローネ(Ref.53505とRef.53506)がデイトナ ルマンのように実際にはほぼ流通しないオイスターケース誕生100周年のスペシャルエディションなのか、デイデイトに並ぶドレスウォッチの通常ラインナップなのかという点。
「1908」の発表時にも言いましたが、ロレックスが改めてドレスウォッチ部門に力を入れるのは素晴らしいことだと思います。ラグジュアリースポーツウォッチが現代においてはトレンドとなっていますが、長い時計史においてはドレスウォッチこそが始祖。
その頂点に君臨する有名どころがパテック・フィリップのカラトラバやヴァシュロン・コンスタンタンのパトリモニーです。そしてドレスウォッチ部門こそ雲上ブランドとされるロレックスよりも格上とされるブランド達の得意分野で、カラトラバやパトリモニー以外にもランゲ&ゾーネサクソニアやランゲ1、ブレゲやジャガー・ルクルトなど錚々たる顔ぶれです。
それでも時計ブランド人気NO.1と言えば間違いなくロレックス。多くの人にとっても冠婚葬祭などで使用できる「1908」や「パーペチュアル パデローネ」の存在は嬉しいものではないでしょうか。
このタイミングでの発表というのも、9月28日にロンドンで開催されるONE-OF-A-KIND AUCTION The Four Seasonsの影響もあるかもしれません。パーペチュアル プラネット イニシアチヴの一環として、ロジャー・フェデラーとレオナルド・ディカプリオは、子どもたちの教育と地球環境のための活動に、ロレックスとともに献身的に取り組む一つであるこのチャリティーオークションではスペシャルエディションのデイトナが登場することも既に発表されております。

このRolex Four Seasonsオークションに向けて9月の話題を独占する意味でも、突然の新作発表だったのかもしれません。
フェデラーやディカプリオがいきなり新作のパーペチュアルパデローネを身に着けてオークションに登場!なんてことも十分考えられますし、現在は未定となっている日本での発売も楽しみです!
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