【 タグ・ホイヤー 】 モナコ を解説。今、高騰している人気のホイヤーのアイコンウォッチ【スタッフブログ】

パテック・フィリップやロレックス、オメガからウブロ、パネライ、そしてジュエラーのカルティエやブルガリまでハイブランドにはそのブランドを象徴=アイコンにもなっているシリーズがあることは当店ブログでも何度も触れさせて頂いておりますが、タグ・ホイヤーのアイコンウォッチの一つが今回ご紹介する❝ モナコ ❞です。

モナコ は各ブランドのアイコンウォッチ同様に腕時計史としても重要な位置づけを担っておりモナコの唯一無二なクラシカルなデザインは男性を中心に多くの支持を集めています。2019年には生誕50周年を迎えたモナコは時代を超えて愛されており2023年現在での相場の高騰ぶりも目立っています。

ハリウッドのスーパースターでもあるスティーブ・マックイーンに所縁があることから「マックイーンウォッチ」としても有名なモナコ。
その歴史と共に最新相場を見ていきます。

タグ・ホイヤー〔TAG HEUER〕

タグホイヤー〔TAG HEUER〕は、1860年にわずか20歳のエドワード・ホイヤーが創業したブランドで、1916年には、世界初の100分の1秒計測を実現した伝説のストップウォッチ”マイクログラフ”を開発するなど技術力の高さも折り紙付きです。

カーレースとの結びつきが強いブランドでタグ・ホイヤーの代表的なシリーズでもある❝カレラ❞や今回の❝モナコ❞もカーレースにインスパイアされた時計です。現在はLVMHグループに所属するブランドであるタグ・ホイヤーは30~50万円の価格から高品質時計を買えるのも一つの特徴で、トゥールビヨン機構という複雑な機構を搭載したモデルを各ブランドが1,000万円を超える価格で販売しているにも関わらず約300万円でリリースするなどコストパフォーマンスの高いブランドとしても有名です。

そういったカスタマー想いの精神はアフターサービスにも活きており、正規購入品の場合「保証期間の延長」や「アフターサービス料金が格安になる」といったマイ・タグ・ホイヤー(=旧エドワードクラブ)といったサービスも行っています。

モナコ

モナコは時計界にとっては激動の※1969年に発表されています。

モナコはそのシリーズ名からも連想できるようにモナコ公国で行われる「世界一華やかで過酷」とも言われるF1のレース❝モナコグランプリ❞からインスパイアを受けて製作されたモデルです。

さらにモナコは
世界初のクロノグラフ自動巻きムーブメントであり、スクエア型でありながら防水性を備えた革新的な時計でした。

❝スクエア型❞と❝防水性❞の両立は当時難関なミッションでした。
当時の時計の主流は現在同様に当然ながらラウンド型=丸形であり防水性を保つためのゴムパッキンも丸形用でした。さらにスクエア型では裏蓋の形状をねじ込み式=スクリュー式にすることもできなかったためです。

しかしタグ・ホイヤーはスクエア型に取り組み完成させました。

※1969年が時計界にとって激動の❝年❞となったのは複数の理由があります。
タグ・ホイヤーがモナコによって❝世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント❞を発表する一方で同年、ゼニスが歴史に残る名器である自動巻きクロノグラフムーブメントでもある❝エル・プリメロ❞を発表しました。

さらに日本からはセイコーも自動巻きクロノグラフムーブメントの開発に成功し、発表。機械式時計の歴史が各社の技術革新によって一歩前進した年でした。(各社の自動巻きクロノグラフムーブメントにはそれぞれのセールスポイントがありました。)

  栄光のル・マン  

そして1971年には世界的なスーパースターでもあるハリウッド俳優のスティーブ・マックイーンが自身の主演映画『栄光のル・マン』で着用することになり、一躍人気は加速することとなります。

マックイーンはスタントマンを起用する事を嫌がり、過酷なレースシーンも自ら撮影に挑むことを望んだようです。マックイーン役作りのため当時のトップレーサーでもあり友人のジョー・シフェールに助けを求めました。(※ジョー・シフェールは1969年からタグ・ホイヤーのブランドアンバサダー)

ここでマックイーン×タグ・ホイヤー モナコが繋がります。
役作りのためも重なりマックイーンはホイヤーのブランドが入ったジョー・シフェールのユニフォームに身を包むこととなり腕もとには❝モナコ❞を身に着けることになりました。

噂では当時オメガの時計も用意されていたとか…

In 1970, as the film Le Mans was in production, Steve McQueen made a choice that would go down in history. An actor devoted to his craft, McQueen was known for valuing authenticity above all else; he even refused to allow any stuntman to take the wheel in his place, and did all his own driving. In preparation for the role of pro racer Michael Delaney, McQueen looked to the best drivers of the time – most of whom wore the Heuer uniform first introduced to the track by Jo Siffert, with whom McQueen became fast friends during shooting.

https://magazine.tagheuer.com/en/2020/11/24/monaco-mcqueen-legend/

ちなみに余談ですがスティーブ・マックイーンモデルと呼ばれる時計は他にも存在し、その中にはロレックスもあります。ですが「Steev McQueen Watch」としてはモナコが筆頭と言えます。ロレックスのニックネームは以下からご参照ください

と、モナコのストーリーと人気の理由はこんな所ですが※1969年にはもう一つの大事件が起こっていました。

  それがこれ!!!!  

自動巻きクロノグラフムーブメントも発表したセイコーが同年の年末に❝クォーツ時計❞を発表し、機械式時計産業は大恐慌時代へ突入することとなります(汗)

それもあってか、1969年発売のモナコは1971年の「栄光のル・マン」公開後にスティーブ・マックイーンウォッチとして脚光を浴びるも1970年代中盤にひっそりと生産終了となってしまいます。

モナコ 世代別紹介

高級時計の人気シリーズはその長い歴史の中で同じデザインモデルでも何度かのグレードアップを重ねたり、リミテッドモデルなどを登場させています。それぞれで相場も異なりますのでここで紹介していきます。

  ①CAW211P.FC6356  

こちらが前述の映画「栄光のル・マン」にてスティーブ・マックイーンが着用した当時のオリジナルモデルを忠実に再現した現行品になります。2009年に限定で復刻されましたが2015年以降は定番化され現在も購入が可能です。

・ロゴは「TAG HEUER」ではなく当時の「HEUER」のみ 
・バーインデックスが横向き 
・文字盤カラーはマットな質感 
・搭載ムーブメントは「キャリバー11」 
・レフティ仕様 

などこのモデルだけのオリジナルモデルに忠実なこだわりがあります。
定価は2023年6月現在¥973,500-で、ここ3~4年で為替の影響もあり約30万円近く値上がりしています。

現在時点で特に高騰を見せているのもこのモデルで、現在の買取価格は

CAW211P.FC6356 2023年6月現在買取価格400,000-450,000円

にもなります。2~3年前の買取価格は20万円前後だったことを考えるとおよそ倍の価格になっています。またモナコの中ではリセールバリューが最も高いモデルと言えます。

  ②CAW2111.FC6453  

続いて現行Verのモナコです。バージョンアップを重ねた進化した正当後継機種であり2019年のモナコ生誕50周年以降このモデルが現行品です。

・TAG HEUERロゴ 
・通常使用のバーインデックス 
・スモールセコンド 
・タグ・ホイヤーの自社ムーブメント❝ホイヤ-02❞搭載 

・光沢感のあるブルー文字盤 

が上記①CAW211P.FC6356と比べて異なる点でしょうか。
こちらも2019年時は定価704,000円だったものの現在定価は935,000円。

CAW2111.FC6453 2023年6月現在買取価格300,000-350,000円

あたりが現在の買取価格目安です。

  ③CAW2111.FC6183  

2009年にモナコ生誕40周年を記念してラインナップに加わったモデルです。人気のブルー文字盤で後継機のCAW2111.FC6543が2019年にリリースされるまでおよそ10年の間販売されていました。

後継機であるCAW2111.FC6543とはデザイン上の大きな違いは無く(マイナーチェンジは入ってますが)最大の違いは搭載ムーブメントで、キャリバー12を積んでいます。

CAW2111.FC5183 2023年6月現在買取価格200,000-250,000円

現在の買取価格だとこのような価格帯です。

モナコ世代別見分け方

自分の❝モナコ❞がどの世代のものなのかを見極めるのは比較的簡単ですのでお教え致します。真贋判定の観点からフリマサイトなどでの個人間やりとりは推奨は致しませんが世代別の見分け方にはお役立て下さい。

  ムーブメントを見る  

まず簡単なのは時計を裏からみてスケルトンの中のムーブメントを見てしまうことです。前述の通りモナコはそれぞれ搭載ムーブメントが違います。


・キャリバー12(ローターに記載あり)→CAW2111.FC6183
・ホイヤー02(黒いローターが特徴)→CAW2111.FC6453
ですので簡単に判別できます。

  デザインの違いを見る  

特徴的なCAW211P.FC6356のスティーブ・マックイーンオリジナルモデルについてはすぐに分かるかと思います。①マットな質感の文字盤 ②横向きのバーインデックス ③ホイヤーのみのロゴ ④レフティ仕様(リュウズが左側)など特徴が多いのですぐにわかります。

続いてCAW2111.FC6183(旧)とCAW2111.FC6453(新/現行)では
スモールセコンド針の有無→スモールセコンド有はCAW2111.FC6453(新/現行)
6時側にキャリバー12の表記の有無→キャリバー12表記はCAW2111.FC6183(旧)
クロノグラフダイアルの数字表記が「4つ」→CAW2111.FC6183(旧)
「6つ」→CAW2111.FC6453(新/現行)

いずれも簡単に見分けが可能なのでぜひお役立てください。
買取価格相場も5~10万強変わってきますので重要ポイントです。

その他のモナコ

モナコには現行ラインナップや限定のスペシャルエディションなどでいくつかの異なるものが存在します。合わせてそちらも紹介します。

  ④CBL2115.FC6494  

現行ラインナップにもある通称❝ガルフ❞モデルですが2022年5月に発売になったスペシャルエディションであり在庫がなくなり次第販売終了となってもおかしくはありません。

文字盤右側にストラップ模様が入っているのが最大の特徴で、ガルフとはエンジンオイルノメーカーです、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンも実際に乗り込んだマシンのスポンサー企業でありガルフカラーに彩られていました。

タグ・ホイヤーは度々このガルフとのコラボレーションにより限定時計をオマージュとして発表しており2022年に自社ムーブメント「ホイヤー02」搭載モデルも発表しています!(2023年6月時点まだ在庫有!急ぎましょう!)

CBL2115.FC6494 2023年6月現在買取価格

発売から間もないこともありリセール相場もまだちゃんと立ってはいませんが人気のモナコのスペシャルエディションという事もあり現時点でも35~45万の買取価格が期待できます。

  ⑤歴代ガルフ モデル  

左から

・CW2118.FC6207 モナコ・ガルフ リミテッドエディション
2005年4000本限定モデル

・CW211A.FC6228 モナコ・ガルフ キャリバー17
2007年

・CAW2113.FC6250 モナコ ガルフ キャリバー12
2009年

・CAL5180.FC6262 モナコ24 キャリバー36
2010年

・CAW211R.FC6401 モナコ ガルフ
2018年

2023年6月現在買取価格

※出回る数時代が少ないレア時計ですが人気の大小はありつつも買取価格30~40万円前後での取引がされています。

  ⑥CBL2113.FC6177  

モナコには現行ラインナップにこれまでに紹介したブルー文字盤だけでなく黒文字盤もあります。これらも実用性が高く人気です。

黒文字盤デザインのものも一定の人気がありますがスティーブ・マックイーンモデルの影響もあったかブルー文字盤の方が相場は高い状況にあり、各年代において黒文字盤は1~2割ブルー文字盤に比べて安いです。

CBL2113.FC617720 23年6月現在買取価格250,000-300,000円

まとめ

タグ・ホイヤーのモナコにはここまでに紹介した以外にも多くのスペシャルエディションモデルが存在します。

個人的なお気に入りとしては2022年の7月に発表されたタグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 パープルダイヤル リミテッドエディション(CBL2118.FC6518)です。

パープル文字盤という何とも言えない攻めたカラーリングであり、実用性を考慮するとリセールマーケット(中古市場)では人気が出ないことが多いこういったカラーリングですが、世界限定500本ということを考えると今後何があるかは読めません(汗)生産数の少なさもあってタグ・ホイヤーでは完売となっており、ロレックスのジョン・メイヤーモデルのように急に脚光を浴びて高騰!なんてことも十分にあり得ます。

特にロレックスのオイスターパーペチュアルやオメガのシーマスターなどでカラフルな文字盤は昨今のトレンドにもなっていますので何が起きるか読めないのが時計です。笑

ともあれ!タグ・ホイヤーの買取や質預けをご検討のお客様はお気軽に当店へご相談ください!ご来店だけでなく電話、LINE等でもおきがるにどうぞ。

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