9月末頃から10月頭にかけてSNSを中心にじわじわと話題になっていた カルティエ の価格改定とメゾンの代表作 トリニティ のデザイン変更。その後カルティエやカルティエの正規販売店から10/17の カルティエ ジュエリー、ウォッチ、メンテナンスなどの価格改定が正式アナウンスされたことで値上げ前の駆け込み需要も多くみられたようです。

リング(指輪)だけでなく、イヤリングやネックレスなども展開されているコレクションの❝ トリニティ ❞は何が変更されたのか!解説していきます。
そしていつの時代も女性のみならず男性にとっても憧れのブランドである❝ カルティエ ❞誰もが「欲しいなー」と思ったモデルがあると思います。そのモデルは果たして現在いくらになったのか!なども合わせてご覧ください。
カルティエ
言わずもがなではありますがまずは改めて「カルティエとは」から行きたいと思います。
メゾンの創業者であるルイ=フランソワ・カルティエが、自身の名を冠したジュエラーをオープンさせたのは1847年。今から170年以上も前のことになりますが1847年となると日本はまだ江戸時代ですのでヨーロッパの歴史がどれだけ深いかがそれだけでも分かると思います。

ルイ=フランソワ・カルティエがその6年後にパリで自らのブティックを開くと、彼の美意識と技術は、ナポレオン3世の妃、ユウジェニー皇后をはじめとした王族貴族たちを次々と魅了していく。英国王のエドワード7世からは、「宝石商の王であるがゆえに、王の宝石商」と讃えられ世界5大ジュエラーの一つとして君臨しています。
1939年までに15カ国から王室御用達の特許状を受けるに至った。現在、これらのうち9王室の紋章がパリ本店の入り口左右に掲げられています。
カルティエ以外の世界5大ジュエラーとは
・ヴァンクリーフ&アーペル
・ハリーウィンストン
・ブルガリ
・ティファニー
と言われています。
トリニティ
トリニティが誕生したのは1924年にまで遡ります。カルティエの トリニティ にはその誕生の歴史について様々な説が残っていますが一人のキーパーソンが存在したのは紛れもない事実です。
その人物が「ジャン・コクトー(Jean Cocteau)」です。

ジャン・コクトー(Jean Cocteau)
フランスの芸術家。詩人、小説家、劇作家、評論家として著名であるだけでなく、画家、映画監督、脚本家としての活動も行っており、その多彩さから「芸術のデパート」とまで呼ばれた。
このジャン・コクトーが当時のカルティエに依頼して誕生したのが❝ トリニティ ❞というのがトリニティ誕生史なのですが、その依頼した理由は経緯にはいくつかの説が存在し、カルティエが正式に名言してない以上真実は分かりません。
その説というのは
①当時の恋人である「レイモン・ラディゲ(Raymond Radiguet)」に贈るためにジャン・コクトーがデザインを行い、カルティエに製作させた説。
②レイモン・ラディゲに贈るために「この世に存在しないリングを」とジャン・コクトーがカルティエに依頼し作らせた説。つまりデザインには関わっていない。
③ジャン・コクトーが「男性に合うリングを」とカルティエに依頼した説。
というものですが前述の通り定かではありません。
またここで登場したレイモン・ラディゲはフランスの小説家・詩人であり、男性です。つまりジャン・コクトーとレイモン・ラディゲは同性愛だったということになります。

以上から❝ トリニティ ❞はそもそもが「男性が身に着けることを目的に、1924年に製作されたジュエリー」ということになります。
トリニティ のデザイン変更点
それでは改めて2023年10月16日まで販売されていたトリニティ(旧トリニティとします)と2023年10月17日から販売され始めたトリニティ(新トリニティ)について説明していきます。SMサイズを例とします。
トリニティ リングSM

トリニティ(2023.10.17発売)の主な変更点は以下の通りです。
・内側(側面)が、平ら➔丸み帯びた(通称:甲丸リング型)
・幅サイズが2.8mm➔2.5mmに
・価格 170,500円➔215,600円に(約26%UP)


それぞれを見るとこのような感じです。旧トリニティと比較して新トリニティは甲丸リング型になり角が丸み帯び、ぷくっとしているので手への当たりが柔らかくなります。一方でリング幅が0.3mmマイナスされていますので旧トリニティより1本1本を見ると細く痩せています。

こちらがリング(指輪)を脇から見たときの比較。
旧トリニティに比べて新トリニティが内側がプクっとしているのが分かりやすいと思います。
今回の変更に伴い品番(リファレンス)もB4086100➔B4235170へと変更されております。
トリニティ リング セラミック
同様の変化はゴールド製だけでなくセラミックを用いたモデルでも。

男性人気が高いセラミックだとゴールド製よりもデザイン変化が分かりやすいと思います!外側から内側にかけてのリングの縁が丸み帯びているのが分かります。


こちらもゴールド製と同じくリファレンス変更されると共に、定価も214,500円➔281,600円と約31%も高くなっております。
トリニティ ブレスレット
リングだけでなくブレスレットも同様のデザイン変更がされています。

こちらもリング同様に
・デザイン変更(内側が平ら➔甲丸型の丸み帯びに)
・リファレンス変更(B6013300➔B6067817)
・価格変更(1,544,400円➔1,676,400円に 約8%UP)
価格改定 ジュエリー
カルティエの価格改定が行われるのは2023年の4月17日に続き2回目です。
2022年には4回の価格改定が行われましたので2022年以降6度目の価格改定ということになります。通常価格改定とは日本国内と海外の価格差、内外価格差を無くすために行われます。(これが一種の並行商品対策にもなります。)つまり必ずしも価格改定=値上げではなく反対に値下げになることもあるのですが、近年のカルティエは円安の傾向もあってこれが2022年以降6度目の値上がりになります….。

6度の値上げというのは、1回で5%ほどしか値上げがされなくても×6回で100万円の商品が1年半で134万円になってしまいます…!!
ここからは、カルティエの人気モデルの価格改定状況を見ていきます。
トリニティ リング

商品 | 新品番 | 価格改定 | 価格改定率 |
---|---|---|---|
トリニティ リングSM | B4235170 | 170,500円➔215,600円 | +26% |
トリニティ リングクラシック MM | B4234272 | 227,700円➔297.000円 | +30% |
トリニティ リングXL | B4236172 | 407,000円➔533,500円 | +31% |
トリニティ リングMM 5Pダイヤモンド | B4236464 | 379,500円➔429,000円 | +13% |
トリニティ リングMM クラシック セラミック | B4234167 | 214,500円➔281,600円 | +31% |
トリニティ リング セラミックSM フルダイヤ | B4235452 | 1,029,600円➔1,069,200円 | +3% |
トリニティ リングSM フルダイヤ | B4235953 | 1,042,800円➔1,095,600円 | +5% |
トリニティ リング MM クラシック フルダイヤ | B4236052 | 2,019,600円➔1,491,600円 | -27% |
トリニティ リングSM 3連フルダイヤ | N4778152 | 2,679,600円➔2,798,400円 | +4.4% |
トリニティ リング MM クラシック 3連フルダイヤ | N4778252 | 5,121,600➔3,841,200円 | -25% |
トリニティ リングLM 3連フルダイヤ | N4778352 | 6,666,000➔6,336,000円 | -5% |
一部商品で大幅な値下げが!?
確かにこうして見ると+30% UPなどの大幅な値上げがある一方でパヴェダイヤモンドのモデルなどでは値下げも見られます!

ということで定価が-27%ダウンと大幅な値下げが行われているMMサイズのB4236052(旧B4038900)を例にして説明すると

・ダイヤモンド数 144個(0.99ct)➔156個(0.64ct)
・リング幅 4mm➔3.2mm
※どちらもサイズ #52 の場合
と使用されているダイヤモンドのカラット数が-0.5カラット
リング幅は-0.8mmされていますので購入をお考えの方はご注意下さい。
トリニティ ブレスレット

商品 | 新品番 | 価格改定 | 価格改定率 |
---|---|---|---|
トリニティ ブレスレットSM | B6067917 | 1,082,400円➔1,214,400円 | +12.1% |
トリニティ ブレスレット | B6067817 | 1,544,400円➔1,676,400円 | +8.5% |
トリニティ ブレスレット フルダイヤ | N6721317 | 4,540,800円➔4,738,800円 | +4.3% |
トリニティ ブレスレット | B6068115 | 184,800円➔236,500円 | +28% |
トリニティ ブレスレット 1Pダイヤ | B6068017 | 500,500円➔506,000円 | +1% |
トリニティ ブレスレット パヴェダイヤ | B6059017 | 445,500円➔467,500円 | +4.9% |
トリニティ ブレスレット オンライン限定 | B6016700 | 110,100円➔113,300円 | +2.9% |
ブレスレットは最も売れているSMサイズなどが値上がり率が大きかったです。その一方で値上がり率5%以下にとどまったダイヤモンド付モデルについてはリング同様に使われているダイヤモンドのカラット数などが変更されている影響かもしれません。
ラブ リング
トリニティ同様にカルティエのアイコンであり代表モデルの一つでもある「LOVE(ラブ)」今回は数量が多いためイエローゴールド(以下YG)を例として価格の変化を紹介致します。

商品 | 品番 | 価格改定 | 価格改定率 |
---|---|---|---|
LOVE ウェディングリング YG | B4085000 | 181,500円➔189,200円 | +4.2% |
LOVEリング YG 幅5.5mm | B4084600 | 282,700円➔294,800円 | +4.2% |
LOVEリング YG 幅11mm | B4227800 | 555,500円➔577,500円 | +3.9% |
LOVE ウェディングリング 1Pダイヤ | B4056100 | 344,300円➔358,600円 | +4.2% |
LOVE リング 3Pダイヤ | B4032400 | 594,000円➔621,500円 | +4.6% |
LOVE ダイヤモンドリング 8Pダイヤ | B4056200 | 610,500円➔632,500円 | +3.6% |
LOVE リング スモール パヴェダイヤ | B4218000 | 715,000円➔748,000円 | +4.6% |
LOVE ウェディングリング パヴェダイヤ | B4083300 | 1,056,000円➔1,108,800円 | +5% |
シンプルな価格改定のみのラブリングはYGモデルで一律3.9%~5%の値上げとなりました。これはホワイトゴールド製のラブリングやプラチナ製のラブリングでもおおよそ同じ価格改定率です。
ラブ ブレスレット
続いてLOVEのブレスレットも同様にYGで見ていきます。

商品 | 品番 | 価格改定 | 価格改定率 |
---|---|---|---|
オンライン限定 LOVE ブレスレット YG | B6027100 | 278,300円➔290,400円 | +4.3% |
LOVEブレスレット YG | B6038300 | 332,200円➔346,500円 | +4.3% |
LOVE ブレスレット スモール YG | B6047517 | 693,000円➔720,500円 | +4.0% |
LOVEブレスレット YG | B6032417 | 764,500円➔797,500円 | +4.3% |
LOVE ブレスレット 1Pダイヤ YG | B6029817 | 902,000円➔940,500円 | +4.3% |
LOVEブレスレット スモール 6Pダイヤ YG | B6047217 | 1,029,600円➔1,069,200円 | +3.9% |
LOVEブレスレット YG | B6067517 | 1,069,200円➔1,122,000円 | +4.9% |
LOVEブレスレット YG | B6064617 | 1,306,800円➔1,359,600円 | +4.0% |
LOVEブレスレット スモール 10Pダイヤ YG | B6047817 | 1,386,000円➔1,438,800円 | +3.8% |
LOVEブレスレット 4Pダイヤ YG | B6070017 | 1,729,200円➔1,795,200円 | +3.8% |
LOVEブレスレット 10Pダイヤ YG | B6070317 | 2,481,600円➔2,587,200円 | +4.2% |
LOVEブレスレット スモール フルダイヤ YG | N6710617 | 3,973,200円➔4,144,800円 | +4.3% |
LOVEブレスレット パヴェダイヤ フル YG | N6035017 | 6,468,000円➔6,732,000円 | +4.0% |
ラブ ブレスレットについてもラブ リング同様に一律3.9~4.3%の定価価格UPとなっています。ホワイトゴールド製やピンクゴールド製、セラミックを使用したモデルも同様です。
その他
上記以外のカルティエのジュエリー
・パンテール ドゥ カルティエ コレクション
・クラッシュ ドゥ カルティエ コレクション
・ジュスト アンクル コレクション
についてもデザインや仕様の変更は確認できず価格改定は概ね+4パーセント前後で行われています。
買取価格 中古相場への影響
今回のカルティエの価格改定はリセールマーケット、中古相場への影響はもちろんのこと「アリ」です。中古や並行商品の価格は概ね、需要量(簡単に言うと、消費者がいくらで欲しいか)に応じて決定されます。
カルティエは人気のブランドですので、カルティエ製品の定価がUPすることで中古、並行相場もUPしていくと思われます。
反対に、定価価格が上昇したことにより「一般消費者がカルティエの購入から遠のいた。」なんてことがあれば中古・並行価格は現状維持や、場合によっては下落していくこともありますが現在のカルティエの人気ぶりを考えるとあまり現実的ではありません。
トリニティは新旧で買取に差は出る?
ずばり!

と考えられます。
今回の新型トリニティのデザイン変更で、それぞれが別物として扱われおそらくではありますが旧トリニティは中古相場では現状維持、新トリニティの方が定価設定が高い分だけ高額になると予想されます。
可能性としては低いですが、
「旧トリニティの方が(幅が太い分)肉厚で欲しい」
などという声が多く需要が高まれば旧トリニティの方が現行品の新トリニティよりもリセールマーケットで高額で取引される。
といったこともあり得ます。
まとめ
ジュエリー類だけで結構のボリュームになってしまいましたのでウォッチについては別でまた価格改定を見ていこうと思います。
それにしてもトリニティは紹介した通り1924年誕生なので実は来年の2024年が正式な100周年のアニバーサリーイヤーなんですよね!実は昨年2022年には日本のデザイナ 阿部千登勢氏による人気ブランド「サカイ」とのコラボレーションモデルが発売されていてその一部は現在でも購入可能なんです。
なので本来なら今回10/17のデザイン変更も含めてアニバーサリーイヤーである2024年に100周年企画として発表しても良かったはずなんですが、
2022年 カルティエとサカイの限定トリニティ発表
2023年 トリニティ新デザインへ変更
と来ていますのでこれは2024年にとてつもない何かが待っているのでは無いでしょうか?
それが何なのかはまだ分かりませんがX(旧twitter)ではもくめ@都内ゆるキャリOL(@mokuyoku99)がカルティエの新情報として
・トリニティにスクエア仕様が出る
・トリニティ リングが現行3サイズから4サイズへ
などと言った紹介をされていますので気になる方はご覧ください。
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